2020年11月号 仕事は愛の表現
仕事は愛の表現
仕事をする時の一番大切なことは、大きく全体を観て気を配って働くことです。
目の前の仕事を、目の前の状況からだけで短絡的に判断したり、定例化したやり方で実行してしまう人は、仕事をする者ではなく、ロボットのような作業者です。
全体を見る時に必要なものは、愛です。
より多くの人がより大きな幸せをうけとるために、この仕事をどういう風に、いつまでに、どんなやり方で実践するのかを選ぶのです。
決して、自分の職責を全うするために働くのではありません。
もしお金を稼ぐために仕事をしているならば、それは動物としてただ生きているにすぎません。
愛を形にする
私は以前、家では落ち着いて執筆の仕事が出来ず、毎夜、深夜のファミリーレストランにパソコンを持ち込み執筆していたことがありました。
大きなテーブルの端にコーヒーフレッシュの入ったカゴが置かれていて、手を伸ばしても届かず立ち上がってフレッシュをとります。
しかし、このお客様のコーヒ―タイムを豊かにしたいと思って仕事をしているウエイトレスなら、にっこり笑顔でコーヒーフレッシュのカゴを私の前に差し出すでしょう。
ウエイトレスの陽子さんは私が行くと、いつも私のお気に入りの隅っこの静かな四人席に案内してくださいます。
大きく観る、全体を観る
ある日、食事時の混雑した時間に、そのレストランを訪れると、彼女は「混んでいるのでこちらでいいですか?」といつもの席ではなく二人掛けの席に案内し、「すいて来たらいつものお席にかわっていただきますね」とにっこり伝えてくださいました。
私にも、お店の収益に対しても、又他のお客様を待たせないようにと気を配っているのです。
ある日、すいている時間帯なのにいつもと違う席に案内され「あれっ?」と思っていると、いつもの席の隣に、子供連れのお客様が大勢いらっしゃりとても賑やか、彼女は「こちらの方が静かですから」といって案内してくださったのです。
私の執筆活動を理解し大切にしてくれていることが嬉しく「いつも気を配って下さってありがとうございます」と伝えると「実は、ポイントカードのお名前から検索して先生のご本を読み、のさか先生は皆さんを笑顔にするお仕事をしていらっしゃるとわかりました。又良い本を書いていただき、皆さんを幸せにして差し上げていただきたくって!」と話してくださいました。
もう言葉が出ないくらい驚き、感動を覚えました。
彼女は日本全国の人の幸せという視野に立って仕事をしているのです。
ある時から彼女の姿が見えなったので、店長さんに伺うと「彼女は、いつも仲間が気持ちよく仕事できるよう気を配り、いろんな改善や工夫をしてくるのですが、そこを評価され、本部の教育担当になりました。彼女がこの店からいなくなるのは私も残念です」とおっしゃっていました。
「ありがとうございます」は愛の言霊
「ありがとうございます」を繰り返し唱えながら、お仕事をすると、彼女のように、愛を基本により大きな視野にたった働きが出来るのです。
そして、自分が働けることが大きな喜びとなって、生きがいが生まれます。
愛とは、大きな視野でより多くの幸せをより多くの人に与える仕事をすることの中に存在するのです。
「ありがとうございます」は愛の言霊なのです。
ありがとうございます