2016年6月号 仕事は愛の表現

仕事は愛の表現

仕事をする時の一番大切なことは、大きく全体を観て気を配って働くことです。

 目の前の仕事を、目の前の状況からだけで短絡的に判断して定例化したやり方で実行してしまうのは、仕事ではなく作業です。

全体を観て仕事をする

全体を見る時に、愛が必要です。

この仕事をどういう風にいつまでに、どんなやり方で実践すると、より多くの人により多くの幸せな状況を、より多くの人にもたらすことが出来るのかということです。

私は、以前住んでいた家は落ち着いて執筆の仕事が出来ないので、毎夜、深夜のファミリーレストラン

にパソコンを持ち込み仕事をしていたことがありました。

大きなテーブルの端にコーヒーフレッシュの入ったカゴが置かれていて、手を伸ばしても取れないので立ち上がってフレッシュをとります。しかし、このお客様のコーヒ―タイムを豊かにしたいと思って仕事をしているウエイトレスなら、にっこり笑顔でコーヒーフレッシュのカゴを私の前に差し出すでしょう。

また「あ、いつも書き物をしているお客様だ」と解っている洋子さんは、私が行くと、私のお気に入りの隅っこの静かな席に案内してくださるのです。

ある時食事時の混雑した時間に、そのレストランを訪れました。彼女は「混んでいるのでこちらでいいですか?」といつもの席ではなく二人掛けの席に案内し、「又すいて来たらいつものお席にかわっていただきますね」とにっこりしてくださいました。お店の収益に対しても、気を配っているのです。

また今日は、すいている時間なのに、いつもと違う席に案内され「あれっ?」と思っていると「いつものお席のお隣にお子様連れの皆さんがいらっしゃって、本日は賑やかなので、こちらの方が静かですから」といってくださるのです。彼女は、私の執筆活動がはかどることを大切にして下さっていることがとても嬉しいので「いつも気を配って下さってありがとうございます」と伝えると「実は、ポイントカードのお名前から検索して先生のご本を読み、のさか先生は皆さんを笑顔にするお仕事をしていらっしゃるとわかりました。又良い本を書いて、皆さんを幸せにして差し上げていただきたくって!」と話してくださいました。もう言葉が出ないくらい驚き、感動を覚えました。彼女は日本全国の人の幸せという視野に立って仕事をしているのです。

ある時から彼女の姿が見えなったので、店長さんに伺うと「彼女は、いつも仲間が気持ちよく仕事でき

るよう気を配り、いろんな改善や工夫をしてくるのですがそこを評価され、本部の教育担当になりました。彼女がこの店から、いなくなるのは私も残念です」とおっしゃっていました。

 

「ありがとうございます」は愛の言霊

「ありがとうございます」を繰り返し唱えながら、お仕事をすると、彼女のように、愛を基本により大きな

視野にたった働きが出来るのです。そして、自分が働けることが大きな喜びとなって、生きがいが生まれます。

愛とは、大きな視野で、より多くの幸せをより多くの人に与える仕事をすることの中に存在するのです。

「ありがとうございます」は愛の言霊です。

ありがとうございます

のさか れいこ