2012年 3月号 「奇跡の達人~アボリジニの生き方~」
奇跡の達人~アボリジニの生き方~
命の根っこを揺るがすほど衝撃的な感動を得た本に出会いました。その本とは、文盲で大変野蛮であるといわれているオーストラリア大陸の原住民族のアボリジニの生活をリアルに描いた『ミュータントメッセージ』です。
彼らは無所有の生き方で、物やお金、その日の食べ物や水さえ持たず砂漠を旅します。そして素晴らしい祈りをささげるのです。「宇宙の調和を乱さず、全ての生き物にとって良い事なら、我々に糧をお与えください」と。すると「今日は鳥が来る」等と直感が降りて、その後鳥の大群がやってくる、「今日は大物だ」といったらラクダがやってくる、という風に食べ物や水はもちろん、必要な物全て与えられるといいます。そして骨や皮やひずめや羽等、ひとつ残らず生活用品として活用します。
そして彼らはコミュニケーションにテレパシーを使い、すごい記憶力を持っている。声は祈るため、歌うためにあるのだとか。文字を使うと記憶力が薄れる、だから文盲なのではなく、文字を必要としないのです。このような超能力を誰しもが持っていて、病やけがは手を触れるだけで癒されます。彼らはいつも幸せと喜びで豊かに暮らし、皆がごく当たり前に助け合い、愛し合い、笑い、楽しんで生きている、そして120歳か130歳位になるとお祝いをし、マハサマーディーという死に方で自ら瞑想に入り数分後には自らあの世に旅立っていくのだそうです。死体は自然の循環に寄与され、動物たちの栄養になります。そしてその動物をまたいただく、つまり大自然の一大循環の一部として、全く我を出さずに生きている民族なのです。だからストレスはまったくなく、そのため癌も心臓病もない、貧富の差もなく、競争も皆無です。全てを与えてくれる神=大自然に全てをゆだね共に生き、純粋でいつもオープンマインドなのでプライバシーはいらない。純粋で心を開いていないと超能力は閉ざされてしまうのだそうです。
彼らは白人宣教師に「食事の前に感謝の祈りをささげるよう子供たちに教えなさい」と言われた時、とても奇妙に感じたといいます。彼らは、朝毎に感謝のうちに目覚め、全てに感謝しているからです。感謝を忘れ、超能力をなくした文明人は、彼らから見るとミュータント=突然変異種だといいます。但し、彼らは自分たちを迫害し馬鹿にする文明人に反発もせず、同じ人間として心からの敬意をささげ、大自然にゆだねる順流の生き方を取り戻して欲しい、これ以上母なる大地を傷つけないで欲しいと心から願っているのです。
「ありがとうございます」という言葉は、まさにこの生き方の中にある、と私は思います。感謝と愛と調和の世界、そして自分自身が神であり、奇跡の達人しかこの世に存在しないなら、お金やゆきすぎた教育加熱や比較文化、その結果のストレスは人類にとって無用です。
私達文明人が発達させた科学技術を、捨てるのではなく活用しながら、大自然の流れに乗った順流の生き方、つまり幸運な生き方を目指したいと願わずにはいられません。 新・笑顔セラピーのサブタイトルを、「奇跡の達人になる」とした理由がここにあるのです。
のさかれいこ