2010年 8月号

2010年 8月号

 猛暑の中、お元気でおすごしでしょうか?今、深夜12時を少し回ったところです。 
さすがにこの時間になると涼やかな風がゆっくりとお部屋にながれこんできます。
エアコンもありがたいけど、やはり自然の風が一番ですね。
 しかし同じこの風を春や秋に受けていたら「いい気持ち!」と思うでしょうか?
「なんて生暖かい風なんだ」と思うにちがいありません。つまりこの心地よさを味わう
には、昼間の猛暑で汗がジトーッと流れる体験が必要なのです。
 
私たちは人生で、時としてつらさや悲しみを味わいますが、それはその後来る一見平凡な日常が、
感謝に満ちたものだと知り、味わう力をつけるために与えられたのですね。
 生まれて今までの間、一度も病気になったことがない人にとって健康という言葉は、意味があるでしょうか?虫歯がいたんだことも膝をすりむいて痛かったこともない、頭痛も経験したことがない、病気は一度もしていない、そんな人がいたら、「健康ってありがたいなあ」と健康であることを、しみじみ味わうことが出来るでしょうか? その人は健康という言葉を理解できません。病気でつらい体験があるから、健康ってありがたいと心から実感できるのですね。
同じように、生まれつき明るい性格の人に「明るくっていいわね」とほめても、明るいことの価値は実感できません。
 私はかつて、取り越し苦労性で根暗な性格、神経症をちょくちょく発症していました。そんな私だから笑顔でいることの意味を図ることができ、笑顔セラピーを創れたのです。
 そして取り越し苦労性ということは、起こりうることを予測できる、そうなったとき何が起きるかを想定できる、そういう能力に優れている訳です。そういう能力は、「こうすればこうなる」という客観性であり抽象的、観念的思考にすぐれているということです。それらは笑顔セラピーのカリキュラムを作るうえで大変役に立っている訳です。またかつての私と同じ苦労を背負っておられる方々のお気持ちを深く理解できるから、笑顔セラピーの講師を務めて、説得力のある話をすることが出来るのです。
 
このように人生に起こることは何一つとして、無駄なものはない、すべて必要必然なのです。
今ここでその出来事、その自分をどう受け止めてどう考え、どうアクションを起こすか、それが自分の運命を決めてゆきます。
 まさにピンチはチャンス、「これでよかった。私はこの事態から学び、気づき、成長します。だからこの事態は私にとって必要最善です。その意味は近々わかります。ありがとうございます」なのです。この呪文は人生で不可欠な大切な携帯品です。いつも携帯していてつらいことが起きたらすぐに繰り返し唱えましょう「これでよかった!!ここからよくなる。ありがとうございます」「これでよかった。ここからだ。ここからだ。ありがとうございます」とつぶやくことを忘れずにやってください。すると遅かれ早かれ、落ち着きを取り戻した自分の頭の中に、「そうか、学びのチャンスなんだな」というひらめきと学ぶべき事が入ってきて、心にスーっと落ちてゆきますよ。

             

のさかれいこ