2013年9月号 感謝の生き方、つつましい生き方

 鍼灸師の森美智代先生は、一日1杯の青汁だけで13年間暮らし、体重は60キロでふっくらしておられて、とてもお元気です。彼女は、運動機能が徐々になくなり最後は寝たきりになる治療法のない難病だったのですが、甲田先生の少食療法により、奇跡的に3年間で病を克服されたのです。2年目、少食療法の生菜食を始めると体重が増え続け、仕方なく野菜や玄米粉の量を減らしても減らしても体重は増え続け、とうとう青汁1杯になられました。

野菜中心の少食療法により、肌がきれいになり短時間睡眠で、心身ともに軽く元気になれるのです。

生き物は全て本来、超能力を持っている

「食べた物で身体はできている」とよく言われますが、森先生や牛は、たんぱく質も脂肪も一切口にしていないのにたっぷりのたんぱく質や脂肪があります。実は生き物には原子転換といって、摂取しなくても必要な栄養素を自分で作り出す能力があるようなのです。

科学者が調べた結果、森先生の身体には普通の人間にはない腸内細菌がいたり、腸内細菌のバランスが特殊であることがわかり、その結果青汁一杯でも元気でふっくらしていらっしゃるらしいのです。しかし腸内細菌がなぜそのようになるのかはわかっていません。科学的には証明のつかない不思議現象なのです。

命の一大循環、恩返しの生き方

森先生は病気になり奇跡を起こし、有名になることで、現代の人類の食のあり方に警告を発する天命を果たしておられるのではないかと思います。

現代人は相対的に食べすぎるので健康を害し、その結果地球は食糧危機となります。その上にお金儲けがからみ、農薬や養殖の技術で出来高を増やし、さらに食べ過ぎます。

昨日、何気なくテレビを見ていると羊が軽トラに乗せられていて「かわいい!!」と思った私は、次の瞬間映し出された光景に、涙と驚きで心臓が止まりそうでした。かわいい1匹の羊が荷台から引きずり下ろされ、2本の前足をガムテープで一つに巻き上げられて、買い取った人の車の荷台に無造作にほり投げられたのです。そこはモロッコの市場で、自宅でさばいて食べる為に買い取られた羊でした。今朝までは牧場で仲間と共にのんびり草を食べていた羊は、車の荷台に横たわりながら、突然のことにどれほど恐ろしく苦しい思いをしつつ殺されていくのかと思うと、残酷さに胸が締め付けられる思いでした。

しかし、私が食している豚や牛、鳥も同じ思いをし、命を絶たれて私達のエネルギーとなり命を繋いでくれているのですね。食欲の為のグルメとは、命の虐殺にほかならないのですね。我々は生きる為に、最小限の命を感謝していただく事が、つつしみのある大自然の一大循環の流れになる生き方です。そして地球全体の調和と平和の元なのだと思います。また少食であることは、本来特別な食事療法ではなく、人間としての本来のあり方なのですね。

食事前の挨拶「(命)いただきます」そして「ありがとうございます」は、命をいただき生かされることへの感謝と、恩返しの生き方への決意なのです。ありがとうございます。

 

のさか れいこ